小次郎独演会

こんにちは、小次郎です。凡夫の独り言です。

本を読もう④

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図書館で何気なく手にした小説です。

冒頭にアップルのジョブズ氏の膵臓癌が出ており、ちょい読んでみるか、という軽い気持ちです。著者の白石一文氏はもちろん知りませんでしたし、小説自体ここ何ヶ月も読んではいませんでした。

 

私(菊池三喜男)は大手出版社の取締役、ですが末期の膵臓癌と診断される。余命1年、53歳。20年ぐらい前、出版社に掛かってきた電話で左足の捻挫痛を治してもらった女性、山下やよいさんのメモを見ながら、この人だったら、もしや医者が見放した私を治してくれるかも・・・。

 

で、読みやすい文体ですから、一気読みも可能です。

ですが山下やよいさん探しに、全ボリュームの70%(400頁/564頁)が使用されており、小次郎は何度か読むのを辞めてしまおうかと思いました。

ただ、今は日本人の2人に1人はガン死ですので、主人公の私は膵臓癌で死んでしまうのかどうか、ここを確認しなければの一点で最後まで読めました。

 

結果は言いませんが、タイトルが「神秘」ですから分かりますよネ!

小次郎も分かっていながら読んでいましたが、割と哲学的な言い回しがあり、

 

 人間の一生、とどのつまりは恋しかないのだろうと私は思う。

 

 一年の余命があれば、相手を妊娠させたかどうかの見極めは十分につけられるだろう。片っ端からこれという女に種をつけていく。いまならまだかろうじて間に合う時間帯である。

 

この文章が哲学的かどうかは個人によって評価が分かれると思うのですが(爆)

こんな具合の取締役さんですので、ストーリーはそれなりに面白いです。読むか読まないか、文庫本もありますので、いかがですかな。