由美香 と青春

由美香の存在は　平野勝之を知ってから

平野　勝之は　ランドナーを知ってから

由美香と青春の北海道自転車旅行は　実験的　意図的

作為あふれる　ドキュメンタリーであるが

その後の　平野　勝之　の北海道自転車旅行を知っている者からは

青春の残照を求法した　修行僧の行動のように

映る

そういう意味では　由美香と平野の北海道自転車旅行は

絶える事の無い　光が　照射しているのだろう

若い死は　それだけで　伝説となりうる

ましてや　AV女優　不倫自転車旅行　となれば

伝説が伝説を生む

意図はなし　作為もないが　

由美香の笑顔は　少女のあどけなさが　はじけ

時代の汚い触手に　裸一貫で　まさに　裸で立ち向かう

精神を　見てしまう

極寒の北海道で　テントを張り　アルプスローバーを凍り付かせ

平野　勝之は　何を求法していたのか

人間の　我々の　ぎりぎりの精神の岸辺に立つ勇気か

それが　青春　という

心の領域のように思える