トーテムポールを捜して
星野 道夫氏の『旅をする木』を読み終えた
1ヶ月ぐらい前かな 読売か毎日新聞かは忘れてしまったが
『旅をする木』の紹介文が載っていて 早速図書館で文庫本を借りて来た
この1ヶ月程 道元の『一顆明珠』を読みながら 適度に脳味噌が混濁
してくるのを待ち 尽十方世界是一顆明珠 が度々出てくるこの文章は
小次郎には太刀打ち出来ないナー と半場諦め気分分泌物が体内を駆け巡る
時 やをや枕元の『旅をする木』を2話か3話を読む
いやいかん 諦めないで正法を見極めねば・・・と言うストーリーを
毎夜繰り返していた(爆)
『旅をする木』は一服のストロングコーヒーを飲む感覚に似ていて
ザトウクジラ アザラシ オオカミ カリブー そして熊 この言葉群は
たぶん一生無縁の世界の住人である小次郎にとって一顆明珠に繋がって行く不思議な感覚にとらわれ始めた
クィーン・シャーロット島に残っていた 朽ち果てたトーテムポールの
レポートは 人類の遥か昔日の記憶を星野道夫流の見事な文章で綴っている
・海辺の岩場が 背もたれのある座り心地のよい岩であったこと
・確信に近い想像が満ちて来たこと
・遥かな昔自分と同じようにこの岩に座り 誰かが夕暮れの海を見ていた
このイマジネーションは読者を 簡単にクィーン・シャーロット島に誘う
・こっちにおいでよ!
と星野氏は言ってはいないのですが 物語のはしばしから おいでよ!!
来て 来て と言われているようで これはちょい深読みし過ぎかな
1996年 星野氏はカムチャッカにてヒグマに襲われ逝去
平均より短かったとしても そんなことに何の意味があるのだろう
大事なのは長く生きるのではなく よく生きる事だ と結んでいる
小次郎も行こうと思っております