小次郎独演会

こんにちは、小次郎です。凡夫の独り言です。

孤高の樹



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墓標群の中に孤高の生を見る
とある野道で見つけてしまった 樹
自転車での道行きは 人がやっと通れる 
か細い生活道まで 奥の奥まで 人目に触れぬ
何百年と時が経つ 底の底までも
他人に開示させてしまう


クスノキ科 いやブナ科 見分けは付かない
わずか十数基の墓標ではあるが
この樹が見下ろす世界は 死者の銘記 生者の銘記か
動けぬ樹は 未来永劫 定められた生の中で
何を思う
見下ろす世界は 人間どもの証
生臭い歴史の証


孤高の生で有るが故
俺のてっぺんは 徐々に剥げて来ている
唄う事も 哭く事も 叫ぶ事も
禁止された身の上であるが故
この見下ろす世界は 格別の絶景と思わねば
何が絶景か


生者の色 俺の緑は
絶やしはしない